プロテインは運動後約1時間以内に摂取すると、筋肉合成の援護をするかの如く、筋力増強に効果的。
とはよく言われます。
が、今回紹介するのは、
夜寝る前にプロテインを飲むとどうなるの?って話
寝る前の食事は太るんじゃないの?
とも言われますが、本当にそうなのでしょうか?
ここでは寝る前のプロテイン摂取の効果について、できる限り詳しく紹介していきます。
目次(もくじ)
カタボリック、アナボリックとは?
あまり聞き慣れないと思いますが
- カタボリック
- アナボリック
とは一体何なのでしょうか?
これを理解しておくと、筋力アップがより捗るかも知れませんよ。
そして寝る前のプロテインが効果的な理由が分かるかも知れません。
「カタボリック」とは、Catabolic=異化という意味。
筋トレを行うと、当然ながら筋肉に刺激が加わるのですが、この刺激により、細胞レベルでの破損が起こります。
これが「カタボリック」という現象と思ってもらって良いでしょう。
つまり、運動をすると、筋肉量は低下します。
強い負荷でトレーニングを行うと、それだけカタボリックも強く起こります。
反対に「アナボリック」とは、anabolic=同化というもの。
しかし傷ついた筋肉はそのまんまではなく、「アナボリック」anabolic=同化という現象により、細胞レベルで筋肉が新しく合成されます。
- 休養
- 栄養
を補充することで、このアナボリックを促進しやすくなります。
つまり、筋力というのは、筋トレをした瞬間に強化されるのではなく、
筋トレ後の休養時に強化されます。
ここでややシンドイと感じる負荷で運動することで(超回復現象により)前よりも強化された筋肉が生まれる、と言うものです。
ちなみに筋トレを行わなくても、人類の身体は日々この「カタボリック」と「アナボリック」が繰り返し行われており、細胞は常に作り変わっています。
筋トレによる、カタボリックをできるだけ防ごう
運動しないで日常を過ごしていると、カタボリックとアナボリックの差は通常それほどありません。
(長期的に運動しないと、ややカタボリックが勝り、少しずつ筋力は落ちていきます。)
ある程度負荷が高い筋トレをを行うと、カタボリック(異化)が強くなってしまいます。
(10回×3セット動かして少しシンドイと感じる程度以上)
食事や休養により、アナボリック(同化)を起こして筋力をつける事ができますが、
カタボリック過多な状態だと、筋力が付きにくくなってしまいます。
そこで筋トレ後は、アナボリックを促進するために、
プロテインを飲んで筋肉の合成をフォローしてあげることが重要になってきます。
プロテインとはそもそも何?
ここで念のためにプロテインの原理を簡単に説明しておくと、
プロテインとはタンパク質そのものなんですね。
英語で言えばprotein、そのまんまです(笑)
プロテインは身体に良くない?
とか言う人もいますが、全くそんなことはありません。
むしろ筋肉を作るための重要な成分です。
筋トレによって筋肉はダメージを受けますが、休養、睡眠によって筋肉は修復され、強化されていきます。
その修復に必要な材料こそがタンパク質、と思っていただければ良いでしょう。
ちなみに、肉や乳製品と言った食品でも、もちろんタンパク質は摂取することができます。
しかし、筋トレをした場合は、してない人に比べると必要なタンパク質の量が増えるため、
筋力をつけるのに十分とも言えるタンパク質を食事だけで摂取しようと思うと、脂肪や糖類も過多になってしまいます。
そこでタンパク質を選択的に摂取するためにプロテインを飲むわけです。
なお、タンパク質は一度に大量に摂取しても、余剰分は体外に排出されるだけです。
キチガイな量を摂取すると流石に健康面で影響あるかも知れませんが、(どんな食品でも同じですが…)
例えば必要量の2倍程度摂取したとしてもあまり意味がありません。
本題1:睡眠前のプロテインがオススメ。アナボリックを活性化!
では本題です。
睡眠中は、成長ホルモンが分泌が盛んになります。
- 22時頃から分泌量が増加し始め
- 25~27時(夜中1~3時)頃にピークに
- 朝6~7時頃に掛けて減少
と言ったサイクルを行います。
■グラフ
(「成長ホルモン分泌量を増やすには https://www.hgh-diet.net/increase」より引用 2018/11/19)
筋トレをすると、ダメージを受けた筋肉の修復(=超回復)もこれに伴って盛んに行われる、
つまりアナボリックが一番促進されやすいタイミングでもあります。
言い換えれば、夜更かしは筋力強化の最大の敵とも言えます。
日が変わるまでには寝ましょう。
しかし、これだけ盛んに修復が行われるということは、睡眠中は摂取したタンパク質も沢山消費することになります。
理想と言われる7~8時間睡眠を取ると、実は途中でタンパク質が不足しがちになり、
絶好のアナボリックのタイミングで、効率よく行われなくなる=筋力アップの妨げになりがちです。
じゃあ、プロテインを寝る前に大量に摂取したらどうなる?
寝ている間に消費されると思われるプロテインを大量に摂取しておくのはどうなの?
って疑問が発生するんですが…
実は大量に摂取しても、一度の摂取でプロテインが体内に吸収できる量には限度があります。
それ以上に摂取しても、体外に排出されるだけなんです。
真剣に筋力向上を意識するなら、3~4時間置きくらいにタンパク質を摂取するのが理想なんですが…
流石にそこまで自己管理するのは大変ですよね?
増してや睡眠中に一度起きて、プロテインを飲んでまた寝る、
なんて生活も無理な話でしょう。
本題2:寝る前のプロテインの種類はホエイ&カゼインのハイブリッドがオススメ!
そこで、寝る前にオススメしたいプロテインの種類は、
ホエイ&カゼインのハイブリッド型のもの!
ホエイプロテインは速攻型
ホエイプロテインは飲んでから2時間くらいで急速に吸収されます。
そのため、運動直後など、ダメージを受けた筋肉が急速に回復する時に効果的なタイプです。
カゼインプロテインは持続型
一方でカゼインプロテインは飲んでから8時間くらい掛けてゆっくりと吸収されます。
先述の通り、睡眠前に飲んでおくと、起きる頃までジワジワと吸収されるため、効率よくアナボリックを起こすことができます。
しかしジワジワと吸収されるため、急速回復にはやや不向きです。
ホエイ&カゼインのハイブリッドは睡眠中の成長ホルモン分泌量にマッチする。
成長ホルモンの分泌量は、
- 22時頃から増加
- 25~27時頃にピークに
- そこから朝6~7時頃に掛けて徐々に減少
と言う流れです。
そのため、睡眠前に飲むことで、
- ピーク時間に合わせて、ホエイプロテインの吸収
- その後の緩やかな時間に合わせてカゼインプロテインを吸収させる
とベストな状態を作り出すことも可能かもしれません。
寝る1~2時間くらい前に飲むと理想
体内に栄養分が吸収される過程は身体にやや負担を掛けるため、直前だと寝付きが悪くなる可能性もあります。
なので1~2時間くらい前に飲んでおくと良いでしょう。
食ってすぐに寝るのは良くないと言われるのと同じですね。
まとめ
人間の体は、
- (筋肉を含む)細胞レベルでの分解=異化=カタボリック
- 一方で細胞レベルでの合成=同化=アナボリック
この2つが絶えず行われている。
筋トレを行うと、筋繊維の破壊(カタボリック)が増加し、それに伴い合成(アナボリック)も盛んになるが、
アナボリックを効率よく行うためには、タンパク質の摂取が欠かせない。
食事だけで満たすのは、脂肪や糖分も過多になりやすいので、プロテインで補給したい。
睡眠中は成長ホルモン分泌の増加に伴い、アナボリックが最も盛んになるタイミングであり、
さらに睡眠中は食事しない時間が長くなるので、ホエイ&カゼインハイブリッド型のプロテインが効果を発揮しやすい。
と言った感じですね。
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